●2月7、8、11日にかけて東京国際フットボール映画祭という催しが開催される。場所は秋葉原のUDXシアターで、サッカーをテーマとした7作品を上映。見にいけるかどうかはともかくとして、予告編を目にして特にひかれたのは「FCルワンダ」「イスタンブール・ユナイテッド サポーター革命」「ベンジャミン・フランクリンの息子たち アメリカン熱狂サポーターライフ」の3作。
●ルワンダといえば、フィリップ・ゴーレイヴィッチ著の「ジェノサイドの丘―ルワンダ虐殺の隠された真実」が忘れられないが、「FCルワンダ」でもやはり1994年の民族間の大虐殺が大きなテーマとなっている模様。かつて凄惨な殺戮が行なわれたそのピッチで、2大クラブのダービーマッチが行なわれる。「イスタンブール・ユナイテッド サポーター革命」ではガラタサライ、フェネルバフチェ、ベシクタシュといったライバルクラブのサポーターたちによるトルコ民主化への戦いがテーマ。「ベンジャミン・フランクリンの息子たち アメリカン熱狂サポーターライフ」は、アメリカのサポという、われわれと似ているような似ていないような異文化を描いていて、フィラデルフィアのサポーターたちがサッカー不毛の地にプロチームを生み出すまでを取材している。
●3作いずれの予告編にも「サッカーってすばらしいよっ!」みたいな押しつけがましさが微塵もない。むしろトーンは暗い。ルワンダやトルコの話が重くなるのは当然としても、フィラデルフィアにプロチームが誕生したという話にすら、どことなく疎外感を覚える。サポーターたちの姿を見てもまるで親しみを覚えない。それだけ世界のフットボール文化には奥行きがあるということなのか、やっぱりJリーグはすばらしいぜ的な身贔屓が働くということなのか。もっとも本編を見たらぜんぜん予想と違う映画だったということもよくあるんだけど。
January 6, 2015