●7日はパーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団へ(NHKホール)。パーヴォ・ヤルヴィの来年9月からのN響首席指揮者就任決定後、初のお目見えということで注目度の高い公演に。プログラムはエルガーのチェロ協奏曲(アリサ・ワイラースタイン)、マーラーの交響曲第1番「巨人」。これはもう新時代の幕開けを高らかに告げる記念碑的な公演といっていいのでは。舞台上も客席も異様なくらいの緊張感に満たされていて、とくに「巨人」はまれに見る集中度の高い演奏だった。
●N響の音が普段とはずいぶん違う。管楽器、打楽器の響きの色彩感は同じオーケストラとは思えないほどだし、弦の配置も対向配置+コントラバスを下手側に並べるスタイルで、重心は下手側に寄るけど内声部まで見通しがよくなるというか。ところどころに仕掛け満載で、特徴的なダイナミクス、急激なギアチェンジ、コントラストの強調などパーヴォ節全開で、オーケストラも指揮者のアイディアを実現すべく全力で応えたといった感。終楽章はすさまじい高揚感に包まれて、客席はわきあがった。もし、これから毎回こんなに密度の濃い演奏が聴けるんだとしたら……。ゴクリ(←生唾)。
●本日、午後からN響の尾高賞授賞式&記者会見が開かれるのだが、そこでパーヴォ・ヤルヴィ臨席のもと今後の活動について紹介されることになっている。なお、来季の定期公演ラインナップは公式サイトで速報版が発表されている。
February 9, 2015