February 10, 2015

N響記者会見にパーヴォ・ヤルヴィ

N響記者会見にパーヴォ・ヤルヴィ
●9日はNHK交響楽団の記者会見。まず今年の尾高賞に藤倉大作曲 Rare Gravity for orchestra が選ばれたと発表。藤倉さんは2回目の受賞。現在欧州滞在中ということで授賞式にはビデオメッセージで登場。
●続いて、9月より首席指揮者に就任するパーヴォ・ヤルヴィが登壇。「このすばらしいオーケストラの歴史の一部となれて光栄に思う。初めて共演したのは10年以上前のことになるが、オーケストラの力強さ、精密さが印象に残っている。今回、まずは2公演を終えたところだが、その印象はさらに強まっており、またN響の音楽に対する姿勢や、柔軟性に非常に感銘を受けている」。
●首席指揮者としての抱負はこんなふうに語ってくれた。「大切なのはオーケストラと有機的なつながりを持って、信頼関係を築くこと。これは時間のかかることだが、すでに2回の公演で手応えを感じている。いったんオーケストラとの絆ができると、人間関係の垣根がなくなり、より柔軟で自由な音楽づくりができるようになる」。
●伝統のあるN響を指揮することについて。「N響ではバランスを重視したい。このオーケストラの首席指揮者を引き受けたのは、このオーケストラを知っていたからであり、オーケストラの歴史を尊敬しているから。だからその伝統に逆らおうとは思わない。楽団員のみなさんといっしょにその伝統をいっそう成長させていきたいと思っている。みんなが嫌がることをするのはなく、いっしょになって仕事をしたい。首席指揮者であるかどうかは重要ではなく、音楽づくりをすることが重要。違う人間が来れば自然とN響のDNAが変化していくものだろう」。
●今後、パーヴォ・ヤルヴィとN響は海外公演、レコーディングも計画している。レコーディングはソニーミュージックからリヒャルト・シュトラウスの交響詩チクルス。まずは今回の定期公演Bプロで「ドン・ファン」と「英雄の生涯」を収録して、9月にリリース。その後、「ティル」&「ドン・キホーテ」、「メタモルフォーゼン」+「ばらの騎士」組曲+「ツァラトゥストラはかく語りき」と続く。

このブログ記事について

ひとつ前の記事は「パーヴォ・ヤルヴィ、N響に登場。マーラー「巨人」他」です。

次の記事は「ハリホジッチ? ラウドルップ? それとも……」です。

最新のコンテンツはインデックスページへ。過去に書かれた記事はアーカイブのページへ。

ショップ