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February 25, 2015

ティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団でシュトラウス&ブルックナー

●24日はティーレマン指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団へ(サントリーホール)。R・シュトラウスの「メタモルフォーゼン」とブルックナーの交響曲第9番というプログラム。機能性全開のスーパー・オーケストラ路線とは異なる、ローカリズム豊かなサウンドを味わう。弦楽器は対向配置、コントラバス下手側で、これはパーヴォ&N響と同様。ブルックナーの第3楽章が白眉。すっかりティーレマンの術中にはまって、儀式的な陶酔感を堪能する。不自然でなじめないと思うことも多いティーレマンの指揮も、このコンビのブルックナーであれば伝家の宝刀を抜いたといった感じ。
●ブルックナーが静かに終わった後に完全な静寂が訪れた。帰路で「メタモルフォーゼン」のおしまいの部分を思い出しながら、二重の余韻に浸れる好プログラム。
●昔はブルックナーなんてモテない男の妄執が昇華されてるみたいでなにがいいんだかさっぱりわからないと思っていたけど、今はどの曲を聴いてもしみじみと感動してしまう。ブルックナーの9番は、こうして聴くとやっぱり第3楽章で曲が終わっている。どう考えてもこの続きはない。でも、ラトルの録音でSPCM2012補筆完成版を聴いたときは、やっぱり終わってないじゃん、と思った。終わると思って演奏されるとそこで終わるし、終わらないと思って演奏されると終わらないものなのかも。第3楽章削除完成版で演奏したら、きっと第2楽章で終わったと感じるにちがいない。