●昨夜はベルリン・フィルの次期音楽監督を決める投票日だった。で、だれに決まるのかとTwitter上は(というかワタシのTL上は)この話題で埋めつくされた。ネルソンスなのか、ドゥダメルなのか、ひょっとしてティーレマンなのか。いま、まさに投票やってる、ドキドキ……。
●とかやっているうちに夜が更けてゆく。発表はまだなのか。白い煙はあがらないのかとコンクラーベ状態に。0時頃になって、ついに速報が流れた。「ネルソンス!」。さーっと海外メディアも含めて、ネルソンスの報が広まったが、すぐにベルリン・フィルの公式アカウントが、そんな事実はないとこれを否定した。どうやらホルン奏者のサラ・ウィリスを騙った偽アカウントが発信源だった模様。これを真に受けたメディアがあり、ノーマン・レブレヒトがSilly Gramophone, Silly BBC Music とグラモフォンとBBCミュージックマガジンを非難したところ、BBCミュージックマガジンが Stupid Norman, オレたちゃなんにもつぶやいてないよ、と返す場外乱闘があったりして(笑)、それからもうすぐ発表されそう、でもやっぱり会見遅れるからもう少し待って……みたいなすったもんだの末(ワタシは寝てしまったが)、最終的に「決まりませんでした!」の公式発表が。
●11時間にわたる協議と123名の楽団員による何回もの投票を重ねた結果、結論は出ず、協議は継続されて今後一年以内に答えが出ることに。ベルリン・フィルの公式発表はこちら。なんというか、これ以上はないという盛りあげ方(?)だった。
●内部でどんな議論があったのかは、これから本当の話ともデマともつかない話が次から次へと出てくるにちがいない。投票で音楽監督を決めるなんていうのはほかのオーケストラにはまねできないことだろう。相手がYesというかどうかわからないし、先方だっていきなりオファーが来てもすでに結んでいる契約もあるし、普通だったらそこから込み入った交渉がスタートしそうなもの。実際、最近になって有力候補たちが自分たちの楽団との契約延長を発表していたりして、これはどういうことなのかなあとは思う。これがサッカー界だったら、スター選手や有名監督の契約に「ビッグクラブからオファーがあった場合は、これこれの条件で本契約を解除可能」みたいな条項が入っていたりすることもあるようだが、さて。
●ファンにとっては最善の答えが出たということなのかもしれない。どんな結論が出ても、多くの人が落胆する。でも結論が出なければ、祭りは続く。
May 12, 2015