May 25, 2015

ピアノによるマーラー交響曲集~マーラー「復活」2台ピアノ版他

●22日は渋谷の公園通りクラシックスで、大井浩明+浦壁信二の2台ピアノによるB.A.ツィマーマン「モノローグ」とマーラーの交響曲第2番「復活」。「復活」はヘルマン・ベーン(1859-1927)編曲で、日本初演なのだとか。あの過剰なまでに巨大で饒舌な「復活」を2台ピアノのみで演奏するとどうなるのかというのが最大の関心。マーラーの交響曲のなかでも「復活」に対して特別な愛着を持つ人は多いと思うんだけど(自分もそう)、きっとそれはこの曲のアンバランスさや強引さ、自壊寸前の気宇壮大さのおかげなんだだろう。でも、この作品からあの巨大な編成、合唱とか独唱とか鐘とかバンダとか、そういう外形上のスペクタクルを剥ぎとったらどうなるのか。ワイヤーフレームだけで描かれた「復活」なんていうものが果たして成立しうるのか……と思って聴いてみたら、骨格だけになっていた「復活」もとてつもなく巨大だった。マーラーとともにピアノを弾いて楽しんだこともあるというベーンの編曲は、予想以上に原曲に近い手触りを残す。そして、テキストの不在を不在と感じさせない。いや、これは自分がもともと原曲のテキストに対して関心を払っていないせいか。長さを感じさせない演奏だった。
このシリーズ、次回の6月23日は同じくマーラーの第6番「悲劇的」と第7番「夜の歌」(ともに四手連弾)が演奏されるそう。まさかと思うようなとんでもないボリューム。

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