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May 28, 2015

マルティン・シュタットフェルト~バッハへのオマージュ

●27日は渋谷のさらくホールでマルティン・シュタットフェルトのリサイタル。オール・バッハ・プログラム、といっても大半はシュタットフェルトの編曲で、モダン・ピアノの機能性を全開にしたバッハ。大胆な強弱法と驚くほど多彩な音色表現による超バッハを堪能。トッカータとフーガ ニ短調、カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番からの「シャコンヌ」、パッサカリア ハ短調他。
●シュタットフェルトとは最初に録音で不幸な出会いを果たしてしまったんだけど(「グールドの再来」の呪い)、以前の来日でバッハの平均律を聴いたら思いのほか楽しくて、見方が変わった。饒舌さの魅力というか。フランス風序曲ロ短調のおしまいが少しかわいくて思わず笑う。アンコールにプロコフィエフのトッカータ(これは以前にも聴いた)、シューマンの「子供の情景」から「詩人は語る」、モーツァルトのロンドン・スケッチブックより。トッカータが終わった瞬間の、椅子を後ろにずり下げながら両手を広げるドヤポーズが熱い。