●東アジアカップ2015、1敗1分で迎えることになった第3戦はホームの中国が相手。アウェイでの中国戦はいつも厄介だが、案じていたよりは正常な試合になっただろうか……いやいや、どこに基準を置いているんだか。1対1の引分けで、3試合して勝点2でニッポンは大会の最下位に。その前のワールドカップ2次予選のシンガポール戦から数えて、4試合連続アジアの戦いで勝利がないという異常事態。うーむ、ハリルホジッチという最高の監督を選んだはずだったのに、よもやこんな低調な試合が続くことになるとは。ハリルホジッチについては「ツキがない」という気もしているが、Jリーグ勢のプレイ精度の低さについては一朝一夕でどうなるものでもない。
●メンバーはキーパーと両サイドバックが新鮮。遠藤航を右サイドバックではなく中盤で起用した。GK:東口-DF:米倉恒貴、森重、槙野、丹羽大輝-MF:遠藤航、山口蛍-永井(→浅野拓磨)、武藤雄樹(→柴崎)、宇佐美-FW:川又(→興梠)。開始早々はニッポンがボールを回し、宇佐美のバーに当たる惜しいシュートがあったが、前半10分にさっそく失点してしまう。ウー・レイのミドルがディフェンスにあたってコースが変わってゴールに吸い込まれるという、やや不運な形。同点ゴールは前半41分。これはたぶん練習から狙っていた形なんじゃないかと思うが、センターライン付近から槙野が左サイドに走りこんだ米倉に長いスルーパスを出して、米倉がワンタッチでグランダーのクロスを送り、ニアで武藤がドンピシャで合わせてゴール。このシーンは美しくて、しかも効率的だった。後半の終盤からは互いに運動量が落ちて、どちらが決勝ゴールを奪ってもおかしくない展開だったが、そのままドロー。ニッポンは相手ゴール付近でプレイの正確性を欠くという従来から指摘される問題点が一段と目立った感じ。しかし中国のパフォーマンスも褒められたものではなく、相変わらず雑というかラフというか。
●Jリーグ勢のなかでも実績のあるベテランを呼ばずに新戦力の台頭を期待して臨んだハリルホジッチだが、結果としては山口や宇佐美ら実績のある人がやっぱり上手いということがわかったという気も。アジアのレベルでも、前からプレッシャーをかけられたときに落ち着いてプレイできる選手は少ない。大事に使ってもらった川又、永井ははたしてこれからも呼ばれるかどうか。遠藤航や武藤雄樹は収穫だった。
August 10, 2015