August 27, 2015

Bunkamuraザ・ミュージアムで「エリック・サティとその時代展」

エリック・サティとその時代展●ようやくBunkamuraの「エリック・サティとその時代展」へ。作曲家を題材とした展覧会ってどうなのか……と思いきや、展示物が驚くほど多彩で、期待以上に見ごたえあり。ロートレックの「ムーラン・ルージュ」ではじまり、ピカソ、コクトー、ジョルジュ・ブラック、マン・レイら、多数の登場人物があらわれてその時代の空気を伝えてくれる。もちろんサティ本人の自筆譜や手紙もある。さらには山高帽、杖も。
●「パラード」に関する展示が豊富にある。ピカソの「パラード」の幕のための下図や舞台装飾のための習作、ラハマンの撮影した写真、コクトーの覚書きと素描、サティの素描付きの書簡等々。再現公演から3分ほどの映像もある。この映像だけを文脈から切り取って見ると、これがどうして騒動になったのかとも思うが。
●もうひとつ焦点が当てられているのは、ピアノ小曲集の「スポーツと気晴らし」。これも音だけを聴くとなんだかよくわからない曲だが(曲名と曲想が結びつかない曲が案外多い)、先に書かれているシャルル・マルタンの挿画と、サティが楽譜に添えたコメントを読むと、どんな情景が題材になっているのかがわかる。楽譜自体にも絵画的な作品性が漂う。さらに映像コーナーでは音と日本語字幕付きでこの曲集を鑑賞できるようになっていて、ありがたし。
●もうあと数日しかなくて、30日(日)までの開催。

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