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September 24, 2015

辻井伸行with井上道義&オーケストラ・アンサンブル金沢「悲しみのモーツァルト」

●21日は東京オペラシティで辻井伸行with井上道義&オーケストラ・アンサンブル金沢による「悲しみのモーツァルト」と題された公演。交響曲第25番ト短調、ピアノ協奏曲第20番ニ短調、休憩をはさんで交響曲第40番ト短調というモーツァルトの短調作品3曲を並べたプログラム。プログラムノートにわざわざ「辻井伸行はピアノ協奏曲のみに出演します」と断り書きがあって、辻井さん目当てのお客さんが多いことが察せられるが、中身はまったくもって本格的で密度の濃いオール・モーツァルト・プロ。辻井&OKEのコンビを東京で聴くのはこれが3回目だと思うけど(それぞれ指揮者は異なる)、客席の雰囲気も含めて今回がもっとも充足度が高かった。常に満席になる辻井さん人気のあまりの高さゆえに、後半になって客席側の関心度が薄くなったらどうしよう……とかつい思ってしまうのだが、これは杞憂。細部まで彫琢された緊迫感みなぎる第40番。圧巻。
●ソリスト・アンコールは一曲、ショパンのノクターン第20番嬰ハ短調遺作。オーケストラのアンコールはモーツァルトと武満で3曲。