●週末のブンデスリーガ、ボルシア・ドルトムントvsFCアウグスブルクは、ドルトムントが5対1で圧勝。録画でざっと見たところでは、香川真司は次々と決定機を作り出していて、完全にチームにフィットしている。監督がクロップからトゥヘルに代わったドルトムントだけど、前線からのプレスと縦に速い攻撃は健在。その上で、チーム力に差があったため、ポゼッションでも相手を圧倒し、スペクタクルを披露した。
●前監督クロップはリヴァプールへ。クロップとドルトムントのトレードマークとなっていたのが「ゲーゲンプレス」。サッカー用語として定着する外来語はおおむね英語由来か、ポルトガル語やスペイン語あたりから来ていると思うが、なんとドイツ語から新語がやってきた。Gegenpress。英語圏の記事でもしばしばそのまま使われるようだが、Google翻訳で英訳すると counterpressing の語があてはめられた。
●ゲーゲンプレス、自分の理解ではこう。攻撃時にボールを失ったとき、リトリートする(戻って守備陣形を整える)のではなく、数秒間の間、ボールを持った相手に激しいプレスを組織的にかけてボールを奪い返す。なぜなら、この瞬間が相手の守備がいちばん整っていないから。ここでボールを奪い返せればショートカウンターを狙える。でもこれはリスクも大きいはずで、うまく選手間で連動してプレスをかけられないと選手が消耗するばかり。
●もっとも、こういうボールを失った瞬間に激しいプレスをかけるのって、バルセロナも以前からやっている。違うのは前線までのボールの運び方で、ドルトムントは手数をかけずに縦に速い。ゲーゲンプレスを標榜していなくても、今は「高い位置でのプレスからショートカウンター」全盛の時代でもあるので、バックラインの選手の足元の確かさがかつてなく求められている感じ。
October 28, 2015