November 19, 2015

アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮フランクフルト放送交響楽団

●18日はサントリーホールでフランクフルト放送交響楽団。ウワサの気鋭アンドレス・オロスコ=エストラーダの指揮。1977年コロンビア生まれ。プログラムはグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(アリス・紗良・オット)、ベルリオーズの幻想交響曲。
●先週、ユジャ・ワンの独奏でチャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番を聴いたところで、今週はアリス・紗良・オットで第1番。このふたり、いろんな面で対照的で、オシャレで若いという点以外ではぜんぜん重なるところがないと思っているんだけど、なんだかこんなふうにチャイコフスキーの2曲を立て続けに聴くと、なにかの陰と陽を目の当たりにしたかのような気になる。といっても、どっちが陰とも陽ともいいがたいんだけど……。アリス・紗良・オットはこの日も素足で登場。歩行しているというよりは、風にふわりと乗ってやってくるかのよう。これまでに聴いたなかでは、このチャイコフスキーがいちばんしっくりと来た。民族色がきわめて希薄で、軽やかでスタイリッシュなチャイコフスキー。ダサさは罪、という説得力。アンコールにシューマン「子供の情景」より「詩人は語る」。やや意外な選択。
●オロスコ=エストラーダのベルリオーズはアイディアが豊富で、メリハリの効いた明快な「幻想」。鮮烈だけど、熱さやパワーで押さないのが吉。オーケストラのサウンドはドイツ的な重厚さ以上に柔軟さを感じさせるもので、若い指揮者と一体となっている感あり。アンコールにブラームスのハンガリー舞曲第6番。これは思い切りがよく、しかも高精度。別プロで微妙な評判が目に入っていたんだけど、オロスコ=エストラーダにはかなり好印象。この名前を覚えておかなければ。「オロスコ」のところが覚えにくいので、10回くりかえしたい。オロスコ=エストラーダ、オロスコ=エストラーダ、オロスコ=エストラーダ……(以下反復)。

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