November 24, 2015

フェドセーエフ&N響、チョ・ソンジン

●21日はフェドセーエフ&N響へ(NHKホール)。三連休だからなのか、ほかのイベントが重なっていたのか、原宿駅はホームから駅の外に出るまでが大変なほどの混雑ぶり。のろのろと歩く。この日のプログラムの前半は、ショパン・コンクール最高位入賞者を迎えてピアノ協奏曲のどちらかを弾くとかねてより発表されていたもので、結果的に1位のチョ・ソンジンが出演してピアノ協奏曲第1番を演奏することに。いったいどんなピアニストが出てくるのか……と思っていたら、すでにN響定期にも出演歴のあるような実績豊富な人が出てきたという、逆サプライズ。
●ということは、前回同じシチュエーションでアヴデーエワが出演してからもう5年も経ってるのか!? うーむ。そしてあのとき緊張とぎこちなさを感じさせたアヴデーエワに比べると、チョ・ソンジンは堂々たるもの。協奏曲は淡々としすぎた感もあったけど、アンコールの「英雄ポロネーズ」は独特でおもしろい。ショパン・コンクールに優勝すると、ピアノ協奏曲を一年間で何回弾くことになるのだろうか。
●後半はフェドセーエフ節が炸裂。グラズノフのバレエ音楽「四季」から「秋」、ハチャトゥリアンの「ガイーヌ」抜粋、チャイコフスキーの序曲「1812年」という、一歩まちがえると空疎な音楽になりそうなプログラムなのに、受ける印象はまったく逆で、「1812年」ってこんなに胸を打つ曲だったのかと認識を改める。グラズノフの「秋」はもっと速いテンポの曲で爆走する感じの曲だと思ってたんだけど、そうではなくて、ひなびた味わいのある田舎の収穫祭なのであった。「ガイーヌ」は「レズギンカ」での煽りがスゴい。強烈なリムショット付きのスネアドラムに客席から大喝采。熱かった。

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