December 22, 2015

大井浩明POC第24回公演/篠原眞全ピアノ作品、クルト・マズア逝去

●20日は渋谷の松濤サロンで大井浩明POC第24回公演~篠原眞全ピアノ作品。今回も作曲順に曲が並ぶが、最初の曲である1951年の「組曲」がなんと世界初演。以降、4つのピアノ曲(1951/54)、ロンド(1953/54)、「タンダンス[傾向]」(1962/69)までが前半、後半は「アンデュレーションA [波状]」(1996)、「ブレヴィティーズ[簡潔]」 (2010/15)世界初演。60年以上にわたる創作歴というのも驚異的だが、前後半でいきなり30年以上の時をジャンプしているのもすごい。ドビュッシー、ラヴェルらフランス音楽風の前半3曲から、「タンダンス」から突如として前衛に作風が変化する。やはり後半が断然おもしろい。「ブレヴィティーズ」は24のミニチュア的小品が集まったもので、それぞれが「減少」「発音」「分散」等々と題される。多様な凝縮された世界の連続体。
●年末のこんな時期になって、クルト・マズアの訃報が飛び込んできた。88歳。多くのメディアがこの一年を回顧するような記事を作った後のタイミング。マズアについて思い出すことは決して多くはないのだが、はるか昔、学生時代に聴いたライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とのブルックナーの交響曲第4番は記憶に残る演奏だった。ひどい風邪で意識が朦朧としながら無理やり出かけたのだが、ブルックナーの音楽の持つ陶酔感を初めて意識したのはこの日だったかも。あと、ニューヨーク・フィルの音楽監督に就任したのがすごく意外だった。

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