●1月19日、JTアートホールアフィニスでローラン・カバッソのピアノ・リサイタルが開かれる。曲はベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」他。ローラン・カバッソといえば、Naiveレーベルからこの「ディアベリ変奏曲」をはじめ多数の録音がリリースされている実力者。ショパン・コンクールで優勝したチョ・ソンジンを今パリで教えているのがこの人なんだとか。入場料はお手頃価格。
●で、少しおもしろいなと思ったのが、この公演のチラシや公式サイトにあったうたい文句。「ディアベリ変奏曲のブラインドテストで第1位!」と記されている。えっ、どういうことなのかなと思って読んでみると、フランスCLASSICA誌が昨年6月号で行なった「ディアベリ変奏曲」ブラインドテストで、批評家たちから第1位を獲得したのがこのカバッソの録音だったという。ポリーニやリヒテル、アラウらの録音をおさえて堂々の第1位。なるほど……。公演のうたい文句としてそんな手があったかというのと、雑誌記事としてそんな企画がありうるのかという両方で目ウロコ。これは目をひく。
●それにしてもオーディオ装置ならともかく、CDの同曲異演のブラインドテストとは。最初にぱっと思ったのは、やるならダブル・ブラインドテスト(二重盲検法)でやってほしいということかな。つまり被験者だけではなく、試験者側も自分がどのディスクをかけているのかわからないという方式で。今回の「ディアベリ変奏曲」テストがどういう方式だったのかは知りません。
January 8, 2016