January 19, 2016

ソヒエフ&N響、インキネン&プラハ交響楽団

●15日はソヒエフ指揮N響定期へ(NHKホール)。前半にブラームスのヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲、後半にベルリオーズの幻想交響曲という満腹プロ。ブラームスはフォルクハルト・シュトイデのヴァイオリン、ペーテル・ソモダリのチェロというウィーン・フィル・コンビがソロを務めた。ウィーン・フィルでもすでにソヒエフとこの曲を演奏しているのだとか。先日の山田和樹公演の明るくクリアな響きからは打って変わって、重厚な響きがズシンと伝わってきた。ベルリオーズも色彩的というよりは骨太の演奏。しばしば低弦が強調されるタフガイな「幻想」。終楽章は格調高い乱痴気騒ぎとでもいうべきか。
●18日はインキネン指揮プラハ交響楽団(サントリーホール)。日フィル以外で生で聴くインキネンはなんだか新鮮。来日オケのプログラムとして「お国もの」は基本、しかも「ニューイヤー・コンサート」を銘打っているので、メインプログラムは「新世界より」かなと思いきや、この日は別プロで、シベリウスの「フィンランディア」、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲(成田達輝)、ベートーヴェンの交響曲第7番。白眉はメンデルスゾーンか。流麗でしなやか、しかし溌溂とした生命力に富んでいた。この曲、プログラムに入っていると「うーん、またか……」と思ってしまうのだが、いざ聴くと「なんてすばらしいのよ」と胸を打たれる曲の筆頭。特にあの終楽章の天衣無縫さは神業。インキネンのベートーヴェンは奇をてらわない伝統的なスタイル。アンコールはソリスト2曲、オケ2曲と盛りだくさん。

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