●先日、太陽系に「第9惑星があるかもよ」(NHK、ナショナルジオグラフィック)というニュースが流れた。冥王星が惑星の定義から除外されて、海王星がいちばん遠くの惑星になったと思ったら、さらにもっと遠くに惑星があるかもしれないとは。質量は地球の10倍、太陽を一周するのに2万年もかかるのだとか。そんなに?(海王星は165年)。
●となれば、ホルストの組曲「惑星」に思いを馳せずにはいられない。ホルストが「惑星」を作曲した1916年時点で、まだ冥王星は発見されていない。「海王星」の女声合唱のフェイドアウトとともに、曲は閉じられる。かつてワタシたちはこの曲を聴くたびに、「ああ、ホントはその外側にもう一個、惑星があるのになあ……」と思わずにはいられなかった。しかし、2000年、イギリスの作曲家コリン・マシューズは「惑星」の補遺ともいえる「冥王星」を発表した。これが評判を呼び、サイモン・ラトルとベルリン・フィルが「冥王星」付きで「惑星」のCDをリリースすると、ベストセラーになった。
●しかし、2006年、国際天文学連合の総会で、冥王星は惑星の定義から外れるとして準惑星扱いに。こうなったらマシューズの「冥王星」などだれが演奏するというのだろう。結局、ホルストの「惑星」は「冥王星」を必要としなくなってしまった。トホホ、たった6年でこんなことになってしまうとは。
●そこに「第9惑星あるかも」説。待ってました。さあ、コリン・マシューズにまたもや出番はあるのか。今度曲を書いたらキリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルで新譜を作ってもらってはどうか。
●と、ここまで書いて、この話で最大の驚きは「冥王星が惑星の定義から外れてもう10年経った」ってことだと思った。え、あれからもう10年も!? (←スケールの小さな驚き)
January 26, 2016