●26日はバッハ・コレギウム・ジャパン定期演奏会へ(東京オペラシティ)。バッハの世俗カンタータ・シリーズvol.7ということで、オルガン協奏曲ト長調BWV592(鈴木優人)、「汝の果報を称えよ、祝福されしザクセンよ」BWV215、「静かに流れよ、たわむれる波よ」BWV206。鈴木雅明指揮、ハナ・ブラシコヴァ(S)、青木洋也(A)、チャールズ・ダニエルズ(T)、ロデリック・ウィリアムズ(Bs)。愉悦に満ちた充実のひととき。
●曲だけを聴いていてももちろん楽しいのだが、作品成立の背景が詳細に記されたプログラム冊子(デザインも含めてものすごくよくできている。すべてが完璧)を読むと一段と楽しめる。逆に言えば歌詞対訳だけをぼんやり見ても成立当時に共有されていた背景はまずわかりそうにないというか。特におもしろいのはBWV206で、バス、テノール、アルト、ソプラノが、ヴァイクセル川、エルベ川、ドナウ川、プライセ川という4つの川の役柄を担っている。で、この4つの川がそれぞれポーランド、ザクセン、オーストリア、ライプツィヒの隠喩になっていて、川と川が対話をするという擬人化プレイ。なんだか、川をキャラに仕立てていると思うと妙に現代っぽい。
ヴァイクセル川「アウグストゥスさまは私のものだお!」
エルベ川「アウグストゥスさまは手放さないんだから!」
プライセ川「みんなケンカしないで~」
とか。今だったら「ドナウ川たん」みたいな萌えキャラが登場しそう。