●週末の東京は曇り空。桜は満開だが期待したほど気温も上がらず。近所の公園でちらっと花を眺めるも、やはり晴れてくれないと。
●1日は東京・春・音楽祭で上野へ。といっても上野学園石橋メモリアルホールのほう。反対側の出口が花見客でごった返していたのに比べればこちらは平和。リチャード・エガーが紀尾井シンフォニエッタ東京を指揮。阿部早希子のソプラノ、藤木大地のカウンターテナー。前半はヘンデルの「シバの女王の入城」、パーセルの「妖精の女王」からエガーが選曲して組曲に仕立てた「ソプラノと管弦楽のための大組曲」、後半はヘンデルの組曲「水上の音楽」(第1~第3組曲からエガーが選曲した10曲)、ヘンデルのオペラ・アリア集。エガーはチェンバロを弾きながらの弾き振り。エネルギッシュで筆圧が強く、推進力にあふれていた。モダン楽器なのでトランペットとホルンが加わったときの強度が猛烈。
●後半、アリア集に入るとやや生まじめな雰囲気からぐっと開放的で華やかな空気に。「リナルド」から「私を泣かせてください」、「ジュリアス・シーザー」の「海の嵐で難破した小舟は」、「セルセ」から「オンブラ・マイ・フ」、「リナルド」から「風よ、旋風よ」と二重唱「あなたの面差しは優美に溢れ」。これまで機会を逸してばかりだったんだけど、藤木大地さんをようやく聴けて大満足。テノールからカウンターテナーに転向して、2012年の日本音楽コンクール声楽部門で史上初めてカウンターテナーとして第1位を獲得して話題を呼び、以来飛ぶ鳥を落とす勢いで大活躍中。歌唱そのもののすばらしさに加えて舞台上から陽性のオーラが発せられていて、なんというか、「スター」だと実感。
April 4, 2016