●20日は東京オペラシティで小林愛実ピアノ・リサイタル。「ポーズ・デジュネ」と題されたシリーズの第1回で、平日昼11時半から約60分のコンサート。小林愛実さん、以前に聴いたときはまだ子供だったのに、いつのまにか大人になってて(といってもようやく20歳)、いまやショパン・コンクール・ファイナリストに。子供から若者になるのって、あっという間なのだなあ……。
●プログラムはモーツァルトのデュポールのメヌエットによる9つの変奏曲、ドビュッシーの「版画」、リストの「巡礼の年第2年 イタリア」から「ペトラルカのソネット」第123番とソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」。情感たっぷりでロマン的な潤いの感じられるモーツァルトとドビュッシーに、渾身のリストが続く。アンコールにショパンのノクターン嬰ハ短調(遺作)。この一息で聴ける長さはいいっすね。これ以上長いとキツいし、これ以上短いと物足りない。
●おもしろかったのは、終演後に出演者によるフォト&サイン・セッションが用意されていたこと。サイン会はおなじみだけど、出演者と一緒に写してもらえるフォト・セッションがあるとは。これはお土産として秀逸かも。
●で、客席を見て思ったのだが、「平日昼の公演がリタイア層向け」だなんていうのはただの先入観にすぎないんじゃないだろか。若い人がたくさん来てるもの。年齢分布は上下にバランスよく広がっている感じで、普段のオケ定期よりよっぽど若いくらい。女性多め。現役世代の場合、昼は仕事さえ休んでしまえば自由に出かけられるけど、夜は子育て等で外出のハードルがうんと高くなるという人も多いはず。あるいは、昼だろうが夜だろうが関係なく、そのアーティストの客層が足を運ぶだけ、という可能性も否定しがたい。
April 21, 2016