●これは目ウロコ。「これから新しい変化球は生まれるか? 早大・矢内教授と高橋尚成氏に聞く」(週刊ベースボールONLINE)。投手40人のさまざまな球種についてスピード・回転数・回転の向きを統計的に分析した結果について述べられている。「ストレートとシュートとツーシームは(客観的に)区別できない」というのも衝撃だが、最大の驚きは「ストレートがカーブと並んで、もっとも大きく変化するボール」だということ(変化する=自由落下と軌道がずれる)。ストレートはぜんぜん「まっすぐ」なんかじゃない。実際にはバックスピンによって大きく曲がっているのに、わたしたちは習慣的にこれをまっすぐと認識しているわけだ。
●この測定によれば、ストレートとは「強烈なバックスピンによって(右投手の場合)右上の方向へ大きく軌道が変化するボール」と定義できるだろう。つまり、「ストレートとカーブだけで投球を組み立てる」という古典的な投球術は、それぞれ正反対の方向に最大に変化する球種2種類を使い分けているという意味で、とても合理的だ。
●じゃあ、いちばんコースが変化しないボール、つまり本来の意味での「まっすぐ」な球種はなにかといえば、このサイトの図を見ればカットボールということになる(!)。これがもっとも自由落下に近い。真に「正々堂々とまっすぐで勝負」するなら、全球カットボールを投げるのが正しい。男なら男らしく、カットボールを連投だっ!
May 25, 2016