●サッカーのレギュラー・シーズンはチャンピオンズリーグ決勝でおしまい。しかし、2年前に続いてまたしてもレアル・マドリッドvsアトレチコ・マドリッドという対戦カードになってしまうとは。それだけ両クラブが強いってことではあるんだけど、さすがに同じ都市の2チームで最強クラブを争うとなると、他人事感は拭えず。リーグ戦でもそうだけど、スペインはバルセロナ、レアル・マドリッドの2強時代から、アトレチコ・マドリッドも含めた3強時代へと完全に移っているのだと改めて思う。ただ、アトレチコ・マドリッドの武器が欧州最強の鉄壁の守備であるため、華やかな話題に欠けるだけで。
●心情的に応援したくなるのはアトレチコ。判官びいきもあるし、今のレアルがそんなに好きではないので。とはいえ監督はレアルがジダン、アトレチコがシメオネ。往年のスター対決で、監督のキャラがそのまま現チームのキャラにつながっているような感じ。選手としてはジダンは最大のアイドルの一人だし、シメオネにはダーティな印象ばかりが残っている。これはプレミアリーグのレスター制覇にも通じるけど、第三者から見てハードワークするチームが魅力的かといえばそうでもないわけで、こういう戦いを見ると「カネだけで勝てるチームが勝ってなにがおもしろい」ってのと「守備のチームが勝つところをお前は本当に見たいのか」という矛盾した気持ちがぶつかり合うことになる。だって、本音では華麗なプレイを見たいじゃないの。かつてジダンが毎試合のように見せてくれたマルセイユ・ルーレットとか。
●試合は序盤にレアルがセットプレイからセルヒオ・ラモスが決めて先制。左サイドから長いボールを入れて、ベイルが頭ですらしたところに走りこんだセルヒオ・ラモスがボールに触った形。後半、アトレチコはPKのチャンスを得るが、エースのグリーズマンがケイラ・ナバスに止められてしまい失敗。後半34分、アトレチコは右サイドからきれいに崩してクロスボールにカラスコが飛び込んで同点ゴール。その後、延長戦に入り消耗戦となったがPK戦へ。全員決め続けたところでアトレチコの4人目、フアンフランがポストに当てて失敗、レアルの5人目にクリスティアーノ・ロナウドが登場して、これを決めて優勝決定。こういう栄光の瞬間がクリスティアーノ・ロナウドのところにしっかり回ってくるのが、なんだか悔しい。シャツを脱いでムキムキの筋肉を見せつけながら雄たけびを上げて走り回るクリスティアーノ・ロナウド。一昨年に続いてレアル・マドリッドが欧州チャンピオンになった。
●この試合に対してなんだか醒めた目線で見てしまうのは、やっぱり自分がバルセロナやメッシのほうが好きだということなのかも。
●で、今年は4年に1度の欧州選手権がこの後に控えている。6月から7月にかけて。こちらは気持ちを入れて臨みたい。
May 30, 2016