●さて、今週からグループステージ第3戦へ突入。大会はここからがおもしろくなる。まずはグループAのスイスvsフランス、ルーマニアvsアルバニアが公平を期すために同時刻に開催。勝点4のスイスと勝点6のフランスは、お互いに引き分ければ決勝トーナメント進出できるという優位な状況にある。スイスは勝てばグループ1位になれるし、負ければ3位に転落する可能性もあることはあるという微妙な状況。フランスはパイエ、カンテ、マテュイディを休ませた。別に休ませなくてもフランスは1位通過なら中6日で次戦を迎えることができるので、コンディション調整というよりはチームの士気を上げるためだろうか。
●前半は両チームともファイトした。スイスがパスをつなぎ、ボール保持率で上回るのだが、ゴール前でのアイディアに乏しく、チャンスが作れない。フランスが相手に適度にボールを持たせながら、しっかりとゲームをコントロールしていた感。この大会はゴールポストが大活躍する大会で、この日も絶好調。前半、ポグバの強烈なミドルシュートをクロスバーが跳ね返し、後半には途中出場のパイエの強烈なシュートを弾き出した。このパイエのゴールは決まっていたら初戦に続くスーパー・ゴールだったと思う。
●ディテールで奇妙な事件がいくつかあった。後半8分、ボールがパンクした。スイスのジャカは試合中に2度もシャツを引き裂かれた(その度に新品が出てきた。いったいひとり何着まで用意してあるのか)。しかしゴールは生まれない。後半30分過ぎからは「もう、引き分けでいいよね」的な暗黙の了解がピッチで支配的になる。凡ミスをすれば話は別ということで、両者慎重にトーンダウンして試合を0対0で終わらせた。試合を通じてポゼッションで上回ったスイスだが、オン・ターゲットのシュート数はゼロ! トップに若手のエンボロを抜擢して、攻撃は活性化されていたとはいえ、あと一歩が足りない。着実に第2位を確定させたのだから、これはこれで彼らの成功なのだろう。スイス 0-0 フランス。
●裏番組はルーマニア 0-1 アルバニアで、アルバニアが歴史的勝利を収めた。試合終了後、まるで優勝したかのように喜びを爆発させるアルバニア。勝点3でグループ3位を確定させた。各グループ3位は成績上位の4チームが決勝トーナメントに進める。勝点3は十分に希望の持てる数字では。もし残れば大きなサプライズを起こすかも。
June 21, 2016