●今までに一度でも北アイルランド代表の試合を見たことがあっただろうか。アイルランドならある。でも北アイルランド。同じ緑のユニで(もしかすると)似たようなスタイルのサッカーをしているのに、国歌はゴッド・セイブ・ザ・クイーンを歌っていて、やっぱりアイルランドとは違う。
●で、試合内容は一方的なドイツ・ペース。今大会で見た試合のなかで、いちばん個の力の差を感じた試合だったかも。北アイルランドはけれんのない魂のフットボールで、ドイツ相手にでも正々堂々と正面から立ち向かうので、おかげで次々とドイツがチャンスを作り出す。北アイルランドのキーパー、マクガバンがファインセーブを連発してしのいでいたが、どう考えてもこの守りでは耐えきれるはずはない、もっとパスの出どころからつぶしにかからないと……と思っていたら、前半29分についにマリオ・ゴメスに先制点を決められる。これはもう必然の失点。
●ドイツはゲッツェのいわゆる0トップシステムをあきらめ、トップにいかにもトップらしい長身のマリオ・ゴメスを起用した。マリオ・ゴメス、トルコ・リーグ得点王のベテラン。トルコ・リーグ得点王というのがドイツ基準で見てすごいんだかそうでもないんだか、なんとも微妙なところだが、とにかく結果は出した。サイドに回ったゲッツェは好機に決めきれず、どうも今大会、調子が上がらない。55分にシュールレと交代させられてしまう。人材がいくらでもいそうなドイツだが、この後トップをどうするかというのは悩みどころか。マリオ・ゴメスで解決したとは正直あまり思えないのだが……。
●結局、ドイツは追加点を奪えず、前半の1ゴールで勝利を決めた。ボール保持率は70%を超えるワンサイドゲーム。北アイルランドには前日のスロヴァキアと同様、守りに守って引き分ければ、勝点4の3位を確定させて決勝トーナメントに進むという戦略がありえた。しかし真正面から戦って敗北。ひとまず、勝点3という当落線上に留まることに。北アイルランド 0-1 ドイツ。
●この日は2グループの試合が行われたのだが、スペインvsクロアチアで、クロアチアがスペインに勝利してしまった。うーん、そっちの試合を見るべきだった! クロアチアは優勝候補の一角に食い込んでいる。
June 23, 2016