●27日はトッパンホールでベルリン古楽アカデミーへ。「ヴェネツィアの休日」と題されたテッサリーニ、ヴィヴァルディ、カルダーラ、マルチェッロらの協奏曲とシンフォニア集。ベルリン古楽アカデミーでイタリア・バロック・プログラムというのが一見意外だが、すでに別の日にバッハ父子のプログラムがあり(そちらは行けず)、一日目と対照をなすイタリア・バロックの一夜。プログラムの最後に置かれたヴィヴァルディのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲変ロ長調RV Anh.18は、ヴァイオリン協奏曲RV364を原曲としたドレスデン宮廷由来の作品ということで、ヴェネツィアの作曲家たちの国際性も意識された選曲というべきか。そういえばヴィヴァルディは最後にウィーンを訪れて没したのだった。
●コンサートマスターはゲオルク・カルヴァイト。大活躍のオーボエはクセニア・レフラー。ヴィヴァルディのオーボエ協奏曲ハ長調RV450、マルチェッロのオーボエ協奏曲ニ短調(突出して有名な曲)、前述のヴァイオリンとオーボエのための協奏曲と、オーボエが加わったときのごちそう感がなんともいえない。がっしりとした堅牢さを、進むにつれて弾けるような愉悦が上書きしていった感。
●アンコールにベネディッド・マルチェッロの合奏協奏曲イ長調よりアダージョ。舞台上にカルヴァイトがいないまま演奏が始まって「ん?」と思ったら、いつのまにか客席後方左奥の見えない場所に陣取っていて、舞台上と共演して空間の奥行きを感じさせるという趣向。さらにヴィヴァルディの弦楽のための協奏曲ハ長調RV114の第3楽章チャッコーナをもう一度、さらにノリノリで。楽しさ全開に。
June 30, 2016