●15日(金)はNHKホールでN響「夏」2016。毎夏に開催される名曲コンサートで、今年はなんと、クリスチャン・アルミンクが指揮。新日フィル音楽監督時代にはたくさん聴く機会があったが、退任後はまったく機会がなく久々にアルミンクの姿を目にすることに。相変わらず若々しく男前。こんなに長身だったっけ。ソリストがポール・メイエだったので、舞台上がなかなか麗しい感じに。
●前半はモーツァルトで「魔笛」序曲とクラリネット協奏曲。クラリネット協奏曲が始まる前、メイエがなかなか登場せず袖で音出しをしているのが聞こえてくる。やっと姿を見せて曲が始まったのだが、オケのみの提示部の間もメイエはしきりと楽器のコンディションを気にして、なんどもオケに合わせてそっと音を重ねている。ようやくソロが始まったが本調子が出ず、しばらくすると演奏をストップして、袖に帰って予備の楽器と取り換えるという珍しいアクシデントがあった。なぜか不調の楽器を手渡されたアルミンクが機転を利かせたジェスチャーで客席を和ませ、微笑ましい雰囲気のなかで冒頭から演奏を再開。もちろん今度は何事もなく、流麗なソロが奏でられた。メイエは同じ曲を以前に聴いた時も感じたけど、快速テンポでよどみなく音楽が流れるのが爽快。アンコールにスティーヴン・ソンドハイムの「リトル・ナイト・ミュージック」より「センド・イン・ザ・クラウンズ」。後半はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。こちらはさすがN響という引き締まったサウンドで、緊密堅牢。アンコールにドヴォルザークのスラヴ舞曲第10番。
July 20, 2016