●25日はサントリー芸術財団サマーフェスティバル(サントリーホール ブルーローズ)。板倉康明指揮東京シンフォニエッタで、ブーレーズの「デリーヴ1」、メシアン「7つの俳諧」、ベネト・カサブランカスの「6つの解釈 セース・ノーテボームのテクストによせて」(日本初演)、リゲティのヴァイオリン協奏曲というプログラム。日本初演のカサブランカス作品を除けば、現代音楽のクラシックというようなラインナップで、しかもカサブランカスも短い部分の連なりからなる曲ということで、どの曲をとっても「長さ」とバトルしなくて済むという、一見コワモテそうで実はフレンドリーな選曲。そしてブーレーズ以外はユーモアとか機知の要素が感じられるのも吉。
●予想以上に効いていたのはブルーローズ(小ホール)という空間のコンパクトさ。あえて最後列に座ってみたけど(自由席)、それでも音像が間近に迫る感じで、生々しい。これだったらブーレーズとも少しは仲良くなれるだろうか……。でもやっぱり後半のほうが楽しめたことはたしか。
●リゲティのヴァイオリン協奏曲をブルーローズで聴くというぜいたく。独奏は神尾真由子さん。強烈な存在感ですばらしい。近年なんどかロマン派の協奏曲を聴いて、あまりに濃厚な表現にたじろぐこともあったんだけど、リゲティだと別世界が開かれている感じ。特に第2楽章のたっぷりとした野太いヴィブラートが印象的。土の香りが立ち上るかのよう。
August 26, 2016