August 29, 2016

ベルリン・フィル・デジタル・コンサートホールの新シーズン

●ベルリン・フィルは8月26日のブーレーズ「エクラ」&マーラーの交響曲第7番で開幕。指揮はもちろんサイモン・ラトル。で、いつものように公演の模様はベルリン・フィル・デジタル・コンサートホール(DCH)で生中継されたわけだが、これからのライブ中継の予定を眺めてみると、なんと、定期演奏会以外のプログラムもいくつか並んでいるではないの。この後、9月2日はBBC Promsでの上記と同じブーレーズ&マーラーが演奏されるのが中継され(ロイヤル・アルバート・ホールでもあのクォリティのカメラワークが実現できるのだろうか)、さらに9月3日以降はベルリン・ムジークフェストの公演が続々登場。ハーディング指揮バイエルン放送交響楽団によるリーム「トゥトゥグリ」、ジョン・ウィルソン・オーケストラの「30~50年代のミュージカル映画音楽集」、ゲルギエフ指揮ミュンヘン・フィルによるウストヴォリスカヤの交響曲第3番「メシア、イエスよ、我らを救いたまえ」&ショスタコーヴィチの交響曲第4番、イヴァン・フィッシャー指揮ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のヘンツェ「ヴィタリーノ・ラッドッピアート」&ブルックナーの交響曲第7番、さらにドゥダメル指揮シモン・ボリバル交響楽団やキリル・ペトレンコ指揮バイエルン国立管弦楽団、ジョン・アダムズ指揮ベルリン・フィル、等々。なんという大盛り感。
●ベルリン・フィル以外のオーケストラまでこんなに聴けちゃっていいんだろか、ということに加えて、いちいちプログラムが攻めているのにも驚く。この先のDCH中継予定のシーズン・プログラムを見ても、この調子で意欲的なプログラムがたくさん並んでいて、迫力がある。なんというか、メジャーレーベル先導のCD時代が終わった今だからこそできることをオレたちはやるのだという力強い宣言を目の当たりにする気分。
●Apple Music等ストリーム配信だけでも無尽蔵に音源があって、さらにDCHもあればネットラジオもあり、おまけに毎日たくさんの本物のライブまであって、ありとあらゆる種類の音楽が聴衆の限られた時間を激しく奪い合っているように感じる。

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