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September 26, 2016

アシュケナージ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢&バウゼ

●23日は紀尾井ホールでオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の東京公演。名古屋、金沢、島根、大阪と巡る秋の全国ツアーの一公演で、指揮はたびたび共演するアシュケナージ。前半にプロコフィエフの「古典交響曲」、モーツァルトのピアノ協奏曲第17番ト長調(ジャン=エフラム・バヴゼ)、後半に武満徹「弦楽のためのレクイエム」、シューベルトの交響曲第5番。コンサートマスターはヤングでもブレンディスでもなく松井直さん。
●バヴゼのモーツァルトが楽しい。軽快、流麗。第1楽章で、てっきりモーツァルトのカデンツァを弾くものだと思い込んでいたら、モーツァルト・スタイルを逸脱する聴いたことがないカデンツァが始まった。自作なんだろうか。帰宅して調べてみると、シャンドスの録音でも使っている自作っぽい。おもしろい。アンコールにドビュッシー「映像」第1集から「水の反映」。こちらは水を得た魚のよう、水も漏らさぬドビュッシー、水を打ったような静けさで聴き入る客席。
●「弦楽のためのレクイエム」は静謐というよりは雄弁。OEK得意のシューベルトは、アシュケナージの大らかさ、円満さが相まって快演。白眉は第2楽章アンダンテ。優しさ、のびやかさを堪能。客席の喝采にこたえて割とすぐにアンコールが演奏され、シューベルトの「楽興の時」第3番の管弦楽版。この編曲はどなたなんでしょね。