●あー、もうヤだ。代表のファンなんてやめる、そんな気分になった、アディショナルタイムに山口が見事なボレーシュートを決めて勝利した、その瞬間にでさえ。ヤだヤだ、アジアの戦いって、なんだか痛々しい。
●1勝1敗、グループ3位で迎えたワールドカップ2018最終予選はホームでの対イラク戦。気がついたら今季は欧州組主力選手たちの多くが所属チームでポジションを失っている。岡崎、本田、香川、長友……。セビージャの清武もナスリなんかが来たばっかりに。試合に出ていない選手たちが長距離移動をしてホームで戦うニッポン代表。フィジカルのコンディションは冴えない。じゃあ、Jリーグの選手を使えばいいじゃん! といいたくもなるが、リーグの競技レベルの差は歴然。ハリルホジッチだって頭が痛いだろうに。
●GK:西川-DF:酒井高徳、森重、吉田、酒井宏樹-MF:柏木(→山口)、長谷部-原口、清武、本田(→小林悠)-FW:岡崎(→浅野)。代表復帰の柏木は、センターバックの手前からボールを配給して攻撃を組み立てるという役割。岡崎と本田の体が重そう。ベルリンで好調の原口はキレキレ。前半26分、カウンターからの先制点は鮮やか。清武から本田にパスが出て、清武は右サイドから本田を追い抜いて、ふたたびパスをもらって低くて速いクロスボールを入れ、中央で原口が技巧的なヒールでシュートを決めた。しかし後半15分、フィジカルで勝るイラクは、なんでもないような場所からのフリーキックで、長いボールを放り込んでアブドゥルアミールが頭で合わせるという効率的すぎる攻撃で同点弾。時間が進むにつれてニッポンの支配率は高くなったが、決定力を欠くというおなじみの展開に。試合終了直前の後半50分、セットプレイから入れたクロスのこぼれ球に、走り込んだ山口がダイレクトボレーで蹴り込んだのが決勝点になって、2対1で劇的な勝利。
●イラクは2007年のアジア・チャンピオン。ここまで2連敗しているが、地力のあるチームという認識。実際、アウェイにもかかわらず試合開始からニッポンに対してプレスをかけて、序盤はゲームの主導権を握っていた。これまでの引いて守る相手とはまったく違う。ところが後半途中からは中東のお家芸ともいうべき露骨な時間稼ぎが始まってがっかり。弱いチームがやるならまだしも、元チャンピオン・チームがそれをやるかね。そして時間稼ぎをやったあげくにアディショナルタイムに失点すると、笛が鳴ってからも主審に食って掛かる。彼らは韓国人主審が不平等な笛を吹いたと思っているかもしれないが、95分の間、ずっとこちらも同じことを思っている。どうしてニッポンにはPKもゴール前のフリーキックも与えられないのに、イラクの選手は転んだだけで笛を吹いてもらえるのだろう、と。なんだかなー。
●最後の山口のダイレクトボレーは10回蹴って何回入るゴールだっただろうか。すぐにアウェイのオーストラリア戦がやってくる。憂鬱だ。うっかり試合を見るのを忘れて、翌日くらいに結果だけ知ったほうがいいんじゃないか。と思いながらも、録画予約を確認する自分。
October 7, 2016