October 14, 2016

ズービン・メータ指揮ウィーン・フィルの「第九」

●今年はウィーン・フィルをもう一公演。12日、サントリーホール開館記念日コンサートでズービン・メータ指揮ウィーン・フィルのベートーヴェン「第九」。サントリーホール30周年記念合唱団、吉田珠代(ソプラノ)、藤村実穂子(メゾソプラノ)、福井敬(テノール)、フランツ=ヨーゼフ・ゼーリッヒ(バス)。この日のメータもオーケストラから内発的にわき上がる音楽を紡ぎ出すような指揮ぶり。メータの「第九」というと、震災直後のN響とのチャリティ・コンサートが語り草になっているが(ワタシは生では聴いていない)、これは30周年の祝祭の「第九」。記念日にふさわしい喜びの音楽であり、コーダの直後にあがった客席の歓声もどこか明るかったような気がする。合唱団員まで見送る長い長い拍手の末に、メータのソロ・カーテンコール。最後まで残っていた人たちから盛大なブラボー。1階の前方にお客さんが集まってきてメータに拍手を送る姿を見ていると、なんだか昔のカール・ベームを思い出す。メータも80歳ですっかり老巨匠。
●1986年10月12日に開館して30周年を迎えたサントリーホール。ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホールでは、その開館直後にベルリン・フィルが小澤征爾とともに来日してサントリーホールで公演を行なった際のライヴが公開されている。すごい、こんなの出てくるんだ。シューベルトの「未完成」とR・シュトラウスの「英雄の生涯」。有料会員でなくてもトレーラーは視聴可。小澤さん、髪が真っ黒で若い(そりゃそうだ)。まだ指揮棒を持っている。ベルリン・フィルも昔のベルリン・フィルだ。当初カラヤンが指揮するはずだったのが病気でキャンセルになって、急遽小澤征爾が代役に立った。この公演、NHK-FMの中継で聴いたような記憶がうっすらあるんだけど、なにせ30年前だからはなはだ怪しい。
●この映像、客席はちらりとでも映るんだろうか? 今とは雰囲気が違うと思うんだけど。後日、確認してみよう。

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