●24日はトッパンホールでフライブルク・バロック・オーケストラ。今回は弦楽器14名とチェンバロ1名でのコンパクトな編成で来日。ヴィヴァルディの2本のヴァイオリンとチェロのための協奏曲 ニ短調(調和の霊感 第11番)、バッハのヴァイオリン協奏曲第1番イ短調、コレッリの合奏協奏曲ヘ長調 Op.6-2、ヘンデルの合奏協奏曲ニ短調Op.6-10、バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調、ヴィヴァルディの4本のヴァイオリンのための協奏曲ロ短調(調和の霊感 第10番)。先立って21日にももう一公演あって(そちらは聴けず)、同様にヴィヴァルディ、バッハ、ヘンデル、コレッリのプログラムが組まれていた。似たような演目で2日間になっていて、どんなふうに曲を分けたんだろう。一日目が長調中心プロ、二日目が短調中心プロではあるんだけど、そういうことでもない?
●ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツとペトラ・ミュレヤンスのヴァイオリニストによるダブル音楽監督制を敷いているのがユニーク。ふたりのキャラクターがかなり違っていて、自分の感じるところではゴルツはシリアスで強靭、ミュレヤンスは楽しげで軽やか、チャーミングな性格をもたらしてくれる。アンサンブル全体のキャラクターはゴルツによるところが大かなと思うんだけど、ミュレヤンスみたいなノリがないと堅さ一辺倒になるだろうから、ふたりが相補的な役割を果たしているのかなと想像。バッハのヴァイオリン協奏曲第1番のソロはミュレヤンス(CDでも同じ)。曲想的にはいかにもゴルツなんだけど。たとえばヘンデルのOp.6-10の終曲みたいな曲、おちゃらけぎみで愛想を振りまくようなカワイイ系の曲なんかでも、うっすらと謹厳な空気が漂うのがこのアンサンブルの持ち味か。切れ味鋭く、多彩で起伏に富んだ協奏曲を満喫。特にバッハの両曲がすばらしい。
●アンコールは2曲。ヴィヴァルディの弦楽のための協奏曲イ長調RV158から、第1楽章。続いて同じく第2楽章。
October 26, 2016