●火曜日に行われるワールドカップ最終予選のホームのサウジアラビア戦を前に、金曜日にオマーン代表との親善試合。インターナショナル・マッチ・ウィークにはるばる欧州から選手たちを呼ぶのだから、本番1試合だけで済ませるのはもったいない。選手のテストの場であり、フルメンバーがそろう貴重な興行の場でもあり。そこで中東対策も兼ねてオマーン代表が呼ばれたわけだが、相手チームのテンションは低い。切れ味鋭いカウンターの脅威もなければ、ナーバスな「笛」問題とも無縁の親善試合、ニッポンがほぼ90分間攻め続けて、4対0で勝利した。快適な追い風のもとでのスペクタクル。
●メンバーは新鮮。GK:西川-DF:酒井宏樹、吉田(→森重)、丸山祐市、酒井高徳-MF:永木亮太(→小林祐希)、山口、清武(→久保裕也)-FW:本田(→浅野)、齋藤学(→原口)-大迫(→岡崎)。センターバックに丸山が先発。中盤に永木。左サイドの攻撃はマリノスの齋藤学で、縦に突破するわ、中に切れ込むわで持ち味を存分に発揮した。そしてトップはドイツで好調な大迫。とてもコンディションがいいようで、2ゴール。頼りになるオールラウンダーっぷり。清武はこのなかでは攻撃の中心で、所属チーム(セビリア)でポジションを失っている現状がもったいなさすぎ。一方、同じくミランで居場所を失った本田は、コンディション不良としか思えない出来。交代出場組ではオランダに渡ったビッグマウス小林祐希が代表初ゴール。利き足ではない右足を豪快に振り抜いた。レスターで苦闘中の岡崎は見せ場なし。
●この日のニッポンのサッカーはずっとこれまでのニッポンがやってきた、しっかりとポゼッションしながら相手を崩すサッカー。ハリルホジッチが求めてきた縦に速いサッカーは後退気味。あえて安定度の高い古いバージョンに巻き戻した感もあるのだが、本番のサウジ戦ではどうなるかが気になるところ。本田と岡崎のスタメン落ちを予想したくなるが、このふたりの両方がいなくなるとフィジカルの強いファイターが前線にだれもいなくなってしまう。サウジ相手の大一番にそれはギャンブルか。
November 14, 2016