●トヨタカップから名称と大会方式を変更して以来、すっかりノーマークだったFIFAクラブワールドカップ。トヨタカップ時代はなんどか国立競技場(もうなくなった)に足を運んで感激したものだったけど、世界中からすぐれた選手がこぞって欧州に集まるようになった現在、なんのための大会なんだかさっぱりわからなくなったうえに、6大陸の選手権王者が戦うといいながら欧州vs南米の決勝を予定調和的に期待する日程にも萎える。でも、今年は特別な大会になった。いくら奇妙な大会であっても、鹿島アントラーズの大健闘は称えられるべき。
●実は決勝の対戦カードが鹿島対レアルマドリッドに決まっても試合の録画すらしていなかったのだが(だって鹿島はヨソのクラブだし)、リアルタイムで「鹿島が勝つかも!」みたいな騒ぎをSNS経由で察知して、あわてて終盤だけ試合を見た。そしたら、スマン、テレビをつけた途端にそれまで大健闘をくりひろげていた鹿島が見る見るうちに調子を落として、レアルマドリッドにコテンパンにやられてしまったのではないの。あちゃー、これってワタシが見なかったら鹿島が世界一になってたんじゃないの?(んなわけない)。
●ゴールは序盤にベンゼマ、前半と後半に柴崎が2ゴール、その後クリスチャーノ・ロナウドがPKで同点ゴールを決め、90分で2対2。延長に入ると、鹿島が力尽きてクリスチャーノ・ロナウドがさらに2ゴールを奪ってレアルが4対2で勝利した。ハイライトシーンはFIFA TVで公開されている。個人の力でもぎ取った柴崎の2ゴール目が見事。
●鹿島が健闘したのを見て、なにを思うかといえば、「うらやましい」の一語に尽きるかな。鹿島はJリーグの代表でもあるしチャレンジャーの立場だから応援したいと思うんだけど、一方でやっぱりニッポン代表とは違うので、マリノス視点から見たらライバルなんすよね。だから悔しい。端的に言って、あそこで戦っているのがマリノスだったらどんなに胸が熱くなったか。でも鹿島はJリーグのプレイオフに勝って、さらにこの大会でも3連勝して勝ち上がって、この決勝まで到達した。ひるがえってマリノスはJリーグの10位の平凡な順位のチームだ。うっ、ううっ。
●あ、さっきまでは鹿島が偉いっていう気持ちが100%だったのに、だんだん悔しくなってきたぞ。
●今回の鹿島は開催国枠での出場で、アジア・チャンピオンとして参加したのは韓国の全北現代。2017年と2018年の大会はUAEで開催されるということなので、日本のクラブはアジア王者にならないかぎり出場できない(本来そういう大会だ)。2019年以降は中国開催という見通しもある模様。近年、アジア王者を決めるAFCチャンピオンズリーグではJリーグ勢は苦戦している。特に広州恒大のような経済力のある中国のクラブがアジアのビッグクラブ化しつつあることを考えると、今後この大会に日本のクラブが出場する機会はめったに訪れないはず。今回の鹿島の決勝進出はJリーグの伝説になるのかも。
December 20, 2016