●22日は東京オペラシティでアヌ・タリ指揮東京フィルの「第九」へ。合唱は東京オペラシンガーズ、小川里美、向野由美子、宮里直樹、上江隼人の独唱陣。アヌ・タリは久々の来日だろうか? 以前、話題になったときに(聴いていないんだけど)「指揮界のジャンヌ・ダルク」という秀逸なキャッチがあったのを思い出す。若くて勢いのある女性指揮者っていうことだったんだろうけど、なんだか火刑に処されそう。そんなアヌ・タリが歳月と経験を重ねて「第九」で登場。小柄でほっそりしていて、風貌は今も若々しい。心持ち早めのテンポで進む、整然としたベートーヴェン。響きはクリアで明快。熱量よりも造形の美しさに魅せられる「第九」だった。
●今年のコンサートはたぶんこれで聴き収め。今年も「モーストリー・クラシック」最新号に「2016年回顧 ベスト・コンサート編」を寄稿している。たまたまだけど、オペラとオーケストラなど、大型公演ばかりのリストになってしまった……。「ベストCD&DVD編」と合わせて、ほかの選者の方々のチョイスを読むのが楽しい。
December 27, 2016