January 31, 2017

JFLに参戦するFC今治

●岡田武史元日本代表監督が代表を務めるFC今治が、今季からJFLに参入する。JFL、つまりJ1、J2、J3の下にある4部リーグ。2014年に岡田武史代表をはじめ吉武博文元U-17代表監督らのチームスタッフがやってきて、日本人が世界で勝つためのイノベーティブなサッカーを確立しようと「岡田メソッド」を掲げ、「2025年にJ1で常時優勝争いするチームになる」というビジョンを描いている。最初のシーズンはJFL昇格に一歩及ばず、2度目のチャレンジで昇格を決めた。大手企業がスポンサーについたり、チームスタッフが超強力だったり、地域リーグのクラブとしてはありえないような充実ぶり。日本でただひとり岡田武史しかプレイできない「リアルサカつく」って感じもする。
●たぶん、このチーム、ここからさらに快進撃が続くと思う。漠然とした予想だけど、最初の1年でJFLからJ3への昇格を決め、次の1年でJ3からJ2への昇格を決めるくらいの勢いで突っ走るんじゃないだろうか。地域リーグからJFLへの昇格はアマチュアチームゆえの日程的な無茶苦茶さがあって(3日間で3連戦とかある)サッカーの質とは別の厳しい戦いがあったが、JFLは整備された全国リーグなので、強いチームが順当に勝ち上がる。しかもJFLにはそもそも昇格を目指していないチームもいくつかあって、たとえば直近だと1位のHonda FCと2位の流経大ドラゴンズ龍ケ崎がともにプロを目指すクラブではなかったため、3位のアスルクラロ沼津がJ3に昇格している。空気感がだいぶ上とも下とも違うので、今治のように先まで見すえたクラブならJFLはスムーズに通過する、というのがJFLウォッチャーとしての予感。
●で、そんな今治なんだけど、やっぱりJFLにあがるとなったら、いい選手を獲得できるみたいで、外国人2名を含む新選手7名が加入している。J1やJ2で経験を持つ選手もいる。しかし新しい選手が入れば、出ていく選手もいるわけだ。公式サイトで退団選手のお知らせを見たら、14人もの選手が今治を去る。これはもうサッカーなんだから、しょうがない。上のカテゴリーに進めば進むほど、選手は入れ替わる。リーズン中に監督やチームスタッフが選手たちに向かって「お前たち、この試合に勝って、人生を変えようじゃないか!」とか言って、みんなで一丸となって戦って、感動のエンディングを迎えても、その後は大勢の選手が契約終了で去る。だから選手って、はかないものだなと思ったりするけど、よく考えてみると、監督やコーチだってずっとそこにいられるわけじゃない。やっぱり去る人は去る。種をまいたり、水をやったりした当人たちが果実を手にするのは難しいこと。経営陣ですら絶対的ではないはず。じゃあ、仮に地域リーグからJFL、J3、J2、J1と上がっていったとして、その一部始終を全部まるごと体験できるのはだれかっていえば、それはファンなんだと思う。ファンだけが自分の意志でファンであり続けるという特権を持っている。

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