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April 26, 2017

ベアトリーチェ・ラナの「ゴルトベルク変奏曲」

●25日はトッパンホールでベアトリーチェ・ラナのリサイタル。曲目が当初の発表から変更されて、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」一曲のみに。CDでも見事な演奏を聴かせてくれているので、これは歓迎。先日のルイージ&N響との精彩に富んだベートーヴェンも鮮やかだったけど、今回はぐっと親密な空間で聴けて一段と印象がくっきりと刻まれた。基本的なテンポは速め、リピートありでもスピード感があって、長さを感じさせず。ペダルを細かく駆使し、色彩感の豊かさがとても印象的。ダイナミックで、効果的なタメも入るけど、決してロマンティックではない。ヴィヴィッドで、才気煥発。
●まだ24歳なんすよね。2015年に早々にラ・フォル・ジュルネで来日して、その後、ワーナークラシックスからCDデビューして、N響定期にも呼ばれて……というコースはベルトラン・シャマユなんかとも共通するパターン。コンクール歴もあるにはあるけど、すでにそういう箔づけを必要としない活躍ぶり。ビジュアルで売ろうともしていないし、好感度高し。
●些末なことなんだけど、CDでもこの日の演奏でも冒頭アリアで分散和音を上から弾くところがあって、ついワタシなんかはグレン・グールドの亡霊がよみがえったような気がしてしまうんだけど、でも待てよと思い、ストリーム配信でいろんな録音を聴いてみたら、ピアニストはベテランも若い人も過半は上から弾いてる感じ。チェンバロ奏者はおおむね下から弾いてるんじゃないかな……と思ったら、いにしえのランドフスカは上から弾いていて、グールドより先にこっちがあったのねと知る。