●24日はNHKホールで「N響 水曜夜のクラシック 第二夜」。指揮はウラディーミル・フェドセーエフ。前半にショスタコーヴィチの祝典序曲、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(ボリス・ベレゾフスキー独奏)、後半にリムスキー・コルサコフのスペイン奇想曲、チャイコフスキーの幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」。ここのところ大曲ばかり聴いていたので、中規模な作品中心のプログラムに新鮮味を感じる。フェドセーエフの語り口の豊かさと、強奏時でも金管、木管、弦のバランスが美しく保たれる精妙な響きを堪能。
●ベレゾフスキーはますますの巨漢ぶりでピアノが小さく見えるほど。豪腕を振り上げながらも、軽々と弾く俊足チャイコフスキー。ベレゾフスキーはなんでも弾いてくれるところがすごい。LFJではこの前ハチャトゥリアンのピアノ協奏曲を披露してくれたし、以前にはラフマニノフのピアノ協奏曲第4番、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第2番等々、あんまり聴けない曲もどんどん弾く一方で、N響や海外オケの来日公演では名曲ど真ん中のプログラムを弾く。ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」も聴いたことあり。こんな人、なかなかいない。この日は、アンコールでオーケストラといっしょに第3楽章のおしまいをもう一度弾くという、最近では珍しいパターン。
●「フランチェスカ・ダ・リミニ」の後、さらに全体のアンコールとしてフェドセーエフのトレードマークとでもいうべき、ハチャトゥリアン「ガイーヌ」から「レズギンカ」。袖からスネアドラムが入ってきたところで察した方も多かったのでは。今回も熱かった。客席は大喝采。
●客席といえば、いつもと少し雰囲気が違っていて、若いお客さんがずいぶん多かった。N響定期にはA、B、Cの3シリーズがあって、この内、サントリーホールで開催されるB定期はホールの休館に伴ってお休み中。代わって水曜にNHKホールで「水曜夜のクラシック」、木曜にミューザ川崎で「N響 午後のクラシック」(つまり本日開催される平日昼公演)が開かれている。チケット価格も控えめ。若者の姿が多いとほっとする。
May 25, 2017