●現在、韓国で開催中のU-20ワールドカップ(旧ワールドユース)。久しぶりにU-20ニッポンが出場権を獲得したのだが、テレビ中継は地上波もNHKもなくて、BSフジで放送。現在グループステージを2試合戦ったところで、初戦は南アに対して2-1で逆転勝利したのだが、第2戦はウルグアイに0-2で完敗。ニッポンは超飛び級で史上最年少15歳の久保建英がメンバー入りしている。2試合とも途中出場を果たした。テクニックはすばらしくてさっそく南ア戦で活躍、思わずメッシみたいだと思ってしまうのだが、さすがにフィジカルの差は埋めがたく、ウルグアイ戦では相手のパワーに苦しんだ感も。
●1勝1敗で第3戦はイタリアが相手。ともに勝点3ながら、ニッポンは得失点差で劣っているので2位勝ち抜けには苦しい状況。ただし3位であっても全グループで成績上位4チームは決勝トーナメントに進めるそうなので、場合によっては「お互い引分けでもオッケーじゃね?」的な状況もないことはない。
●一方、フル代表はハリルホジッチ監督が次のワールドカップ最終予選イラク戦(アウェイ)に向けてのメンバーを発表。これがなかなかのサプライズ。GK西川、DF森重といった主力級が落選。清武、宇佐美、武藤も呼ばれず。逆に乾が復帰。ガンバ大阪から三浦弦太、倉田秋、井手口陽介、今野泰幸、東口順昭と大勢選ばれていてびっくり。浦和の宇賀神、柏の中村航輔もサプライズ。だが最大のサプライズはこの人! なんと、なんと、なんと、ブルガリア1部リーグのRECべロエ・スタラ・ザゴラ所属の加藤恒平だっ!!!!!
●だれ、それ!の声、多数。一方、ついに来たかの声も。いわゆる「海外組」というとJリーグで大活躍した後ドイツやイングランドなどに渡った選手たちをまっさきに思い浮かべるが、そういう選手たちとはまったく別ルートで東欧などで活躍している日本人選手たちは何人かいる。そんな「もう一つの海外組」のひとりが加藤恒平。大学を経由してアルゼンチンに渡るも試合に出られず、一時町田ゼルビアに所属するも、その後、モンテネグロ1部リーグ、ポーランド1部リーグを経て、現在ブルガリア1部リーグへ。27歳。ポジションは中盤で、ファイター・タイプなのだとか。
●少し前に読んで印象に残った加藤恒平インタビュー。アルゼンチン時代の話がもうムチャクチャ。契約を結べないまま、ブエノスアイレスの貧民街にある4部リーグのチームに帯同していたんだけど、アウェイで負けたらサポーターのボスみたいなのがふたり、猟銃を持ってロッカールームにやってきて、選手をみんな座らせて説教したって言うんすよ。で、「オレたちはカネがないのにアウェイまで来た。なのにお前らは負けた。だからバス代を出せ」。日本じゃ絶対にありえない展開だけど、それで加藤選手も含めてみんなおカネを取られちゃう。
●こんなタフな環境から育ってきた選手が、今のスターぞろいの(かなり行儀のいい)ニッポン代表に加わるっていうんだから、まったくおもしろいことになってきた。ハリルホジッチ監督によれば「ボールを奪えて、組み立てもできる」。応援するしか。
May 26, 2017