●明日、6月29日に開催される「東京芸術劇場ナイトタイム・パイプオルガンコンサート Vol.18」では来場者への手荷物検査が実施される。これは「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、セキュリティ対策を更に充実・強化させていくため」に試行的に実施されるのだとか。ほかにも東京都美術館や東京都写真美術館などでもそれぞれ日時を決めて試行される。演奏会関係だと、少し先だが8月2日の東京文化会館での「響きの森コンサート」も対象になっている。
●さて、手荷物検査と聞くと抵抗を感じる人もいるかもしれないが、サッカー・ファンであれば「へー、やればいいんじゃないの」くらいの感じだろう。Jリーグや代表戦ではずっと昔から原則として手荷物検査が実施されていて、入場口での手荷物検査は共通観戦マナー&ルールのひとつとしてすっかり定着している。スタジアムの入場ゲートに近づくと、ほとんど条件反射的にカバンの口を開けてしまうくらい、われわれファンは飼い馴らされている。自分のところで時間がかかって後に続く人に迷惑をかけたくないという心理が働いてか、係員さんから少しでも見やすいようにとガバッとカバンを開ける。で、まあ、大して中身のチェックもされずにゲートを通れてしまうという認識。
●だからコンサートで手荷物検査が実施されても、特に驚きはない。何万人も入るスタジアムでやってるくらいなんだから、2000人のコンサートホールならスムーズにできちゃうんじゃないかな……と思いつつ、一抹の不安があるとすれば、クラシック音楽ファンはサッカーファンほど従順ではないんじゃないかという点か。どういうわけか、スタジアムよりコンサートホールのほうが荒ぶるお客さんを見かけることが多い気がする。クラシック音楽には人の心を荒ませるなにかがあるのかも。コンサートでキレそうになったときは、ぜひサッカー観戦で心の平安を取り戻してほしい。
June 28, 2017