July 27, 2017

ズーラシアンブラス「音楽の絵本 with パイプオルガン」

●26日は東京オペラシティでズーラシアンブラス「音楽の絵本 with パイプオルガン」。ズーラシアンブラスには昨夏初めて足を運んで大いに感心したのだが、今回は場所を代えて東京オペラシティで。ズーラシアンブラスとは子供たちに大人気の動物たちによる金管五重奏で、インドライオンのトランペット、ドゥクラングールのトランペット、マレーバクのホルン、スマトラトラのトロンボーン、ホッキョクグマのテューバという編成。指揮者はオカピ。インドライオンは気取り屋さんでマレーバクはすぐに眠たくなる、といったようにそれぞれにキャラクターが描き分けられている。純粋に金管五重奏としてレベルが高く、特にインドライオンの輝かしいトランペットはただものではない。いったい何者なのか……いや、インドライオンなんだけど。これにうさぎたちの四人姉妹による弦うさぎも加わり、さらにオペラシティではオルガニストのオルガンオウルも登場する。パイプオルガンでサン=サーンスの「オルガン付き」とかゴージャスに弾いてくれるんすよ。
●「剣の舞」あり、ディズニーメドレーあり、「となりのトトロ」あり、ルパン三世のテーマありと、人気曲がずらりと並ぶ。ただ演奏がうまいだけでなく、演出が非常に練れていて飽きない。たとえば金管五重奏で「静かな湖畔の森の影から」のカノンをやろうとするんだけど、途中からまちがえて「カエルの歌」が入ってくるみたいなボケとツッコミ系の笑いもあれば、「オリーブの首飾り」を演奏中に指揮のオカピがこちらに向き直って、いきなり手品を披露するという、どっちかといえば大人が笑うようなネタがあったり。
●キッズ・コンサートって各所でいろんな形態で開かれているけど、やっぱり子供を飽きさせない工夫っていうのがいちばん難しそう。好奇心旺盛でおもしろいと思えばすぐに食いつくけど、一方でなんにでもあっという間に飽きるという手強い相手。子供の3分は大人の30分くらいだというつもりでネタ密度を濃くしなきゃいけないのかなと思った。客席は大盛況。本日、同じ会場でもう一公演あるんだけど、なにがすごいってプログラムがほとんど共通していないってこと。結成から17年続いて、この人気ぶり。脱帽するしか。

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