●まだ日本はお盆だというのに、ヨーロッパの夏はあっという間に終わる。先週と今週あたりで各国ともサッカー界は開幕。そして、なんと、DAZNでは今季からイングランドのプレミアリーグも一部配信されるようになった。これで英独仏伊スペインの五大リーグ(?)が見れて、J1、J2、J3も全部見れるし、ベルギー・リーグだのブラジル全国選手権だのがあって、おまけに野球もF1も格闘技も自転車もラグビーもゴルフも競馬もダーツも楽しめるというのがDAZN。いやー、恐ろしい。人をダメにする娯楽集積装置のようでもあり、コンテンツのインフレ化を究極まで進める破壊装置のようでもあり。
●でも、どんなに膨大なメニューがあっても、見る側の時間は増えるわけではない。週末に開催された試合のなかから、関心のあるものをいくつか拾ってハイライトを再生してみた。各試合5分くらいあってスポーツニュースとは段違いに見る甲斐があるのだが、そうはいってもハイライトをいくつも見てるとかえって味気ない感じもしてくる。やっぱり1試合をしっかり見たくない? ていうか、スタジアムに行こうよ、みたいなうっすらとしたフラストレーション。うーん、これはいろんな意味でサッカーファンの生態を変える。革命かも。
●で、フランスリーグ。ネイマールの移籍で、がぜん注目度がアップ。ギャンガン対パリ・サンジェルマン(PSG)でついにネイマールがデビュー。それにしてもパリの攻撃陣、ネイマール、カバーニ、ディ・マリアといった顔ぶれは「銀河系軍団」の一歩手前くらいまで来ている。ネイマールはめでたくパリ・デビューをゴールで飾った。左サイドを破ったカバーニがアシスト。カバーニのプレイにネイマールにゴールを取らせようという意図がありあり。ロッカールームでの関係も良好なのか。
●プレミアリーグも何試合かハイライトを見たが、やはりここのレベルがいちばん高いんじゃないだろうか。ビッグクラブの数が多いうえに、下位のチームでもビッグクラブを脅かせる力を持っているところが他との違い。レスターはアーセナルに3-4で逆転負けを喫してしまったが、なんと岡崎が先発、しかもゴールまで決めた! レスターは絶対的なエースであるヴァーディの相棒を探していて、昨季はスリマニ、今季はイヘアナチョを新戦力として獲得。岡崎の序列は3番手、4番手に下がっているはずなのだが、それでも開幕戦にこのふたりをベンチに置いて先発したのだから立派。しかもゴールまで。攻撃力はどう考えてもスリマニやイヘアナチョのほうが高いのだが、岡崎のような泥臭い献身性を持った選手には独自の価値があるということか。31歳なので、もうすっかりベテラン。
●マンチェスター・ユナイテッドからエヴァ―トンに復帰したルーニーも、開幕戦でゴール。古巣での13年ぶりのゴール。これが決勝ゴールとなった。泣かせる。
August 15, 2017