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August 17, 2017

東京国立近代美術館 MOMATコレクション

●竹橋の東京国立近代美術館のMOMATコレクションへ。13,000点の所蔵作品から約200点を厳選して紹介するというだけあって、恐ろしく見ごたえがある。1回でぜんぶを巡るのが大変なくらいのボリューム感。おまけに開催期間中になんども展示替あり。上野ならともかく、竹橋はなにかのついでに来る機会がないんだけど、ふらり立ち寄れる常設展としては最強なんじゃないだろうか。
●全体の構成も巧みで、最初に入る1室を「ハイライト」と名付け重要文化財を中心に展示し、2室が「明治の絵画 リアルな自然を描く」、3室が「恋とクリームパン」(このネーミングも秀逸)、4室が「インド・アジア スケッチ紀行」、5室が「西洋は絶対か?」、6室が「藤田、Foujita、またの名を Léonard」、7室「国吉康雄 誰かがわたしの何かを破った」、8室「アメリカの影」、9室は写真展で田村彰英の「午後」、10室「筆と墨と個性と南画」、11室&12室が「1960-70年代の美術|近年の新収蔵作品から」。音楽ファンにとってなじみ深いところでは、5室にココシュカの「アルマ・マーラーの肖像」があった。これってここの収蔵作品だったんすね。全体についてのすごく雑な感想としては、新しいほど古びやすいってことかな。前半のほうにより力強さを感じる。
●で、コレクションの充実ぶりはもちろんスゴいんだけど、ハッとさせられたのは、各室や各作品に添えられた解説文。これが猛烈に上手い。門外漢が読んでも、とてもおもしろい。よく知らないんだけど、これは学芸員の方が書いているんだろうか。「文句のつかない正しいこと」だけで字数を埋めて対話性を拒むようなカテナチオ原稿とは正反対で、開いた文体でやさしくあれこれを教えてくれる。「解説」ってこうあるべき、と心に刻む。