●ルイージ指揮サイトウ・キネン・オーケストラを聴いた後、松本に一泊することになったのだが、翌日をどうするかはかなり迷った。松本山雅の試合はない。上高地や乗鞍高原を散策できれば最高なのだが、山を歩いたその足で帰京するというのは軟弱者の自分にはきつすぎると思ったし(二泊だったら行けるんだけど)、せっかく遠くまで来たんだからゆったりしたスケジュールで過ごしたい。で、徒歩で行ける松本市美術館へ。常設展で「草間彌生 魂のおきどころ」を満喫。これが常時展示されているというのは強力。なにしろ建物自体が写真のような楽しさ。松本出身の草間彌生あってこその美術館。
●こんなふうにコーラの自動販売機まで水玉模様になっていた。館内は空間的にゆとりがあって、いたるところに座って休める場所があるのも吉。人も少なくてのびのび。なんというぜいたくな環境なのか。企画展は「日本のアニメーション美術の創造者/山本二三展」で、「天空の城ラピュタ」や「未来少年コナン」の背景画などが展示してあった模様だが、そちらは立ち寄らず。
●松本市ってどれくらいの人口なんだろうと思って検索してみたら、24万人しかいないんすよね。それでいて最高水準の音楽祭があって、美術館があって、サッカー専用スタジアムがあって、松本山雅がある。街は公園にも恵まれていて、人口密度が薄そうなのに個人商店が駅の周囲にたくさん生き残っている。上高地や乗鞍高原もある。文化にも自然にもこれだけ恵まれた都市はそうそうないのでは。東京へのアクセスも悪くない。山が見える街というのも憧れる。なんというか、住みたくなる街。実際には、クルマを一切運転する気のない自分が暮らせるとは思えないんだけど、つい夢想してしまう。
August 22, 2017