●23日は東京オペラシティで第27回出光音楽賞受賞者ガラコンサート。出光音楽賞の授賞式と合わせて、3人の受賞者たちが演奏を披露する公演で、今回の受賞者は荒木奏美(オーボエ)、小林沙羅(ソプラノ)、反田恭平(ピアノ)の3名。年によっては作曲家や邦楽の演奏家も受賞するのだが、今回はクラシックの演奏家がそろった。
●授賞式ではおなじみ、池辺晋一郎先生が選考委員を代表して登場。期待に応えて今回も華麗にダジャレを連発。「この賞は、今、アブラの乗っている人に差し上げているんです。出光だけに。それと光の出ている人ですね」。ご本人もおっしゃってたけど、そのネタ、前にも聞いてます! でもいいっす。秀逸なネタは何度でも。
●荒木奏美さんはオーボエ奏者の定番、モーツァルトのオーボエ協奏曲を披露。沼尻竜典指揮日本フィルが共演。よどみなく音楽が流れるのびやかなモーツァルト。カデンツァは自作。モーツァルト・スタイルで無理がない。普段、東響の首席奏者として聴いている荒木さんが日フィルと共演してソリストを務めているという新鮮な光景。
●小林沙羅さんは3曲。それぞれまったく異なる性格を持った曲で、グノーの「ファウスト」から「宝石の歌」、グリーグの「ペール・ギュント」から「ソルヴェイグの歌」、そしてレハールの「ジュディッタ」から「私の唇は熱いキスをする」。レハールの曲は盛り上げてくれるだろうなと思っていたが、期待通りダンスを交え、赤いバラを客席に投げ込む演出入り。一気にオペレッタらしい雰囲気になって、華がある。
●反田恭平さんはラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲。とりわけ思い入れのある一曲ということで、切れ味鋭く、スケールの大きな演奏。この前、同じラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を聴いたばかりなので、この一曲だけだともっと聴きたくなる。有名な第18変奏はたっぷりとして甘美。
August 24, 2017