●31日は東京オペラシティで鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン。宗教改革500周年を記念したルター500プロジェクトのシリーズ最終回。今回も練られたプログラムで、まず前半にルターのコラール「われらが神こそ、堅き砦」が歌われ、続いてアグリコラ、ヨハン・ヴァルター、ブクステフーデのオルガン独奏版、シャイン、カルヴィジウス、プレトリウス、ハスラー、バッハによる「われらが神こそ、堅き砦」が奏でられ、バッハのカンタータ第79番「主なる神は太陽にして楯なり」が演奏される。後半はオルガン独奏の「いざ、すべての者よ、神に感謝せよ」に続いて、カンタータ第192番「いざ、すべての者よ、神に感謝せよ」、そして最後にカンタータ第80番「われらが神こそ、堅き砦」で閉じられるという趣向。完璧な調和、壮麗でドラマティックなバッハ。最後のカンタータ第80番「われらが神こそ、堅き砦」が傑作すぎて鳥肌。
●演奏に先立って鈴木雅明さんがステージにマイクを持って登場した。「さて、今日はなんの日でしょうか?」。ここはBCJの定期演奏会。この日のプログラムノートにあるように500年目の宗教改革記念日だ。「宗教改革記念日とお答えになった方は優等生です。今日はハロウィーンでもあります」。ここで客席から笑いが起きる。それから宗教改革とハロウィーンはまったく無関係でもないというお話が続いた。初台は渋谷と違って仮装した群衆も見当たらず平和。この一帯はハロウィーン勢よりも宗教改革記念日勢が勝ってた。
●元ネタよりも先にメンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」に親しんでいる自分は異教徒。メンデルスゾーンいないのに、すごいメンデルスゾーン度。
November 1, 2017