●巷ではぜんぜん盛り上がっている感じがないEAFF E-1サッカー選手権。ニッポン代表といっても海外組がいなくて地味ということもあるのかもしれないが、この大会名称ってどうにかならにんすかね。EAFF E-1って、なにかの型番みたい。
●で、第2戦は対中国戦。中国を率いるのはあの名将リッピ。おお、ベンチにリッピがいる。久々に見た。リッピは広州恒大の監督を務めた後、中国代表監督に就任したのだとか。中国といい中東といい、日本はクラブレベルでも代表レベルでも経済力の差を感じることが増えてきた。中国代表は北朝鮮よりさらに大型チームで、平均で184.4cm。ニッポンは178cmほど。高さでは対抗しようがない。特に前線の選手は迫力がある。ダイナミックだが粗削りなサッカーで、かつてのオーストラリア代表を連想させる。フォーメーションは3-4-3。リッピは試合ごとに3バックと4バックを使い分けている模様。
●ニッポンは前の試合からだいぶ選手を入れ替えてきた。GK:東口-DF:植田、三浦弦太、昌子、山本脩斗-MF:今野、大島(→井手口)、倉田、土居聖真(→阿部浩之)、伊東純也(→川又)-FW:小林悠。アンカーに今野を置く。やはり頼りになるベテランをひとり入れておかないとチームにならないということか。山本脩斗は32歳でまさかの代表デビュー。本来センターバックの植田を右サイドバックに起用したのも驚き。しかも植田はサイドバックの動きがきちんとできていて、コンビネーションからサイドをえぐって、正確なクロスボールを供給するなど大活躍。こうして両方できる選手がいると、チーム編成の自由度が格段に上がる。
●序盤はかなりニッポンがボールをスムーズに回せていた。前の試合と違って、前線も活性化していて流れはよかったと思うのだが、前半30分に大島が痛恨の負傷退場。代わって井手口が入ると、急激にボール支配率が下がってしまった。井手口の獰猛で執拗な守備はとても有効なのだが、大島がいないと中盤の選手が視野の広さを失ってしまったよう。前の試合で収穫だった伊東純也を先発起用。突破力のあるところは見せてくれたが、突破した後のプレイに物足りなさも。好機の少ない試合で、流れとしては0対0で終わってもおかしくない雰囲気だったが、後半39分、中央で倉田の縦パスを小林がフリック、これを交代出場の川又がシュート。シュートは弾かれるが、こぼれ球を小林が拾って、ゴールエリア右から体をひねるように反転して浅い角度からシュートを決めた。圧巻は後半43分。センターバックの昌子がボールを拾うと、思い切ってロングシュート。まさかの43メール弾が決まってしまった。伝説のゴールといってもいいインパクトだが、相手ゴールキーパーにも問題を感じる。試合終了直前、延々と続くフィジカル勝負に疲れ果てたのか、青息吐息の山本がジャンウェンジャオを倒してPK。これを決められたものの、2-1で勝利。
●収穫としては植田のサイドバック起用か。さんざん国内組を試した結果、ワールドカップ本大会に生き残ったのが大ベテラン今野だったしても驚かない。
December 14, 2017