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February 19, 2018

パーヴォ・ヤルヴィ指揮N響のデュリュフレ、サン=サーンス、フォーレ

●16日夜はNHKホールでパーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団。デュリュフレ、サン=サーンス、フォーレというフランス音楽プログラム。ラヴェルもドビュッシーもベルリオーズも出てこないフランス音楽プロ。一曲目のデュリュフレの3つの舞曲op6、これは存在も知らなかった曲だったけど、たいへんおもしろい。小曲かと思いきや3曲合わせると20分ほどになる。繊細で幻想的、淡く透明感のある色彩感が魅力。舞曲といいつつ1曲目と2曲目は遅めのテンポで澄ましているのに、第3曲は思いきり田舎風味のタンブーラン。どんくさく拍を刻む太鼓とファゴットがダサカッコよすぎて悶絶。一番オーボエは吉井瑞穂さん。
●サン=サーンスはヴァイオリン協奏曲第3番でソリストは樫本大進。NHKホールの大空間をものともせずに芯のある美音が客席まで飛んでくる。この曲、こんなにいい曲だったのかと再発見。第2楽章のおしまいでヴァイオリンのフラジョレットと弱音のクラリネットが重なり合う部分、ぴたりと合わせるのは難儀そうだけど、あそこはため息が出るほど美しい聴きどころ。発明。
●後半は東京混声合唱団とのフォーレのレクイエム。ソプラノは市原愛。バリトンはアンドレ・シュエンと発表されていたのだが、演奏に先立って変更のお知らせあり。アンドレ・シュエンが体調不良のためキャンセルとなり、代役に甲斐栄次郎。事前になにも発表されていなかったようなので本当に急なことだったのだろう。それで代役にこれだけの人が出てくるのもびっくり(そして翌日の同一プログラムは青山貴)。きっと舞台裏は大騒動だったと察するけど、演奏が始まればひたすら清澄流麗なフォーレの世界が広がるのみ。安らかに終曲が閉じられた後、しっかりと余韻を味わった後に拍手。客席数の多いNHKホールでこの静寂は貴重。