●ベルリン・フィルのデジタルコンサートホールで、ペトレンコが指揮したコンサートを聴いてみた。と、いっても次期首席指揮者キリル・ペトレンコではない。ロイヤル・リヴァプール・フィル首席指揮者として絶賛活躍中のヴァシリー・ペトレンコのほうだ。なんと、ヴァシリー・ペトレンコがベルリン・フィルにデビューを果たしたんである。
●これはズービン・メータのキャンセルにより、急遽代役としてヴァシリー・ペトレンコに白羽の矢が立った次第。キリルとヴァシリー。ますます混迷する「どっちのペトレンコだ問題」。ちなみにヴァシリーはラヴェルの「ラ・ヴァルス」「ダフニスとクロエ」第2組曲他を指揮。なんだか粘り気のあるラヴェル。ヴァシリーはベルリン・フィルから電話をもらったときに、どう思っただろうか。「あの……別の人とまちがえてませんか?」とか(んなわけない)。
●ところで、今年のラ・フォル・ジュルネにはエカテリンブルク・フィルハーモニー合唱団という団体が招かれる。先月、彼らの演奏をナントで一足先に聴いてきたのだが、その指揮者の名前がアンドレイ・ペトレンコ。第一、第二のペトレンコに続いて、まさかの第三のペトレンコが日本上陸! さらなる深みにはまる「どっちのペトレンコだ問題」。合唱指揮者だから、さすがにアンドレイがベルリン・フィルの指揮台に立つことはないとは思うけど。
March 13, 2018