April 16, 2018

カンブルラン指揮読響の「くるみ割り人形」&「春の祭典」

●13日はサントリーホールでシルヴァン・カンブルラン指揮読響。チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」から4曲、モーツァルトのクラリネット協奏曲、ドビュッシーのクラリネットと管弦楽のための第1狂詩曲、ストラヴィンスキーの「春の祭典」。クラリネット独奏はポール・メイエ。ソリスト入りの曲が2曲もあるので見えにくいが、新旧二大バレエ音楽プロでもあり。メイエのモーツァルト、過去にも何度か聴いていると思うが、細部まで入念に表情付けされた快速モーツァルト。より印象深かったのは休憩をはさんで後半に演奏されたドビュッシーの第1狂詩曲のほう(第2が存在しないのになぜか第1と呼ばれる謎)。ふくよかなクラリネットの音色にカラフルなオーケストラ。「牧神の午後への前奏曲」を連想させるなあと思っていたけど、「海」や「夜想曲」も入っているような気がして、セルフパロディ感というか全部入り感というか。鮮麗。
●ストラヴィンスキーの「春の祭典」は色彩の饗宴、精密な音の彫像。ファゴットのソロはほとんど甘美といっていいほど。異教の儀式ではなく、洗練された都市の祝祭。曲以上にカンブルランの指揮姿に舞踊性を感じる。これだけ磨き上げられた「ハルサイ」を東京のオーケストラで聴けるなんて、喜び以外のなにものでもない。

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